2009年 03月 02日
It's a Small World
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精巧なミニチュアの写真だと思いましたよね?
実は全て「逆ティルト」という特殊な技法を使って撮影された実際の風景なんです。
なぜミニチュアのように感じるのか。
それはピントの合っている深度の違いに因るようです。
例えば本当の風景と、その1000分の1の模型の風景を、同じ画角で撮ったとする。
本当の風景で1000m先のビルと2000m先のビルは、模型では1m先のビルと2m先のビルになる。
これをそれぞれカメラで撮ってみると、本当の風景の写真では1000m先も2000m先もカメラのピントでは∞(無限大)となって両方にピントの合った写真になる。
一方で、模型を撮ろうとした場合、1mと2mとの両方に同時にピントを合わせることは困難で、どちらかにピントを合わせると、一方はボケる。
人間の目も同じで、距離の絶対値はピントの合い具合(深度)に大きな影響を及ぼし、その違いが、その対象物の遠近を捉えるうえで大きな役割を果たしている。
というわけで、風景のごく一部にしかピントの合っていない写真を見ると、人間の目は「これは小さなモノをクローズアップして撮っている」と自動的に感じるように出来ている。
目が騙されているわけです。
また、もうひとつ重要なのはアングルです。
アングルによって、テーブルの上にある模型を上から眺めているような錯覚をおぼえる。
また、コントラストを増加させることによって、影が濃くなるのも見る人の脳を上手に騙すキーポイントになっているようです。
うーん、写真は奥が深いですねぇ〜
by eve_nif
| 2009-03-02 15:24
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