2010年 02月 01日
古町に北光あり。
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2010年1月31日、古町のひとつの象徴が幕を閉じた。
新潟市に住む人間ならば知らない者はいないであろう古町十字路にある老舗書店「北光社」。
江戸時代に創業し、190年の歴史がある書店だ。
古町の看板書店として親しまれ、待ち合わせの名所にもなっていた同店。
最終営業日となったこの日、自分も店を終え、9時閉店の同店に足を運んだ。
思い出の場所の最後を見届けようと多くの市民が詰めかけていた。
最後の思い出買いと、大勢の買い物客が本を手に取り、レジで列を作りながらブックカバーを巻き付けてもらっていたのが印象的だった。
学生の頃から古町が拠点だった自分も数えきれないほどお世話になった場所。
待ち合わせといえば北光社だった。
それは学生の時も大人になっても変わらなかった。
当時勤めていた店の場所の問い合わせにも「北光社から向かって…」なんてよく説明したものだ。
そんな北光社に群がる群衆の片隅で、着古した着物姿の婆さんが立っていた。
少し下がったその位置から、ゆっくりと煙草を吹かしながら、ただただその長い歴史の幕が閉じる様を見届けている。
北光社への思い入れと当時の自分を照らし合わせ回想しているかのようだった。
その姿、なんとも哀愁深く、その歴史を感じさせる。
思わずセピアで撮ってみた。
時代がタイムスリップしたかのような絵だった。
皆それぞれの想いがあったのだろう。
記念に本を購入する者、いつもと変わらず最後の立ち読みにふける者、ただただ思い出にふける者。
なくなってしまうのは寂しいが、今はお礼を言いたい。
そしてまたこの場所が新たな古町のスポットになるよう心から願いたい。
古町に北光あり!
by eve_nif
| 2010-02-01 15:03
| DAYz